ある程度年齢を重ねてくると生活習慣病のリスクが高まってきます。
この記事を読んでいるのは30代後半~40代、また50代の方も多いのではないでしょうか。
実際に高脂血症あるいは高コレステロール血症と診断された方もいらっしゃると思います。
働き盛りの男性で、特にご家庭を持っている方なんかは将来的にも大きな病気のリスクにもなりかねないので不安もあるのではないでしょうか。
なので今回は高脂血症という病気について、記事をとおして皆さんとシェアしていきたいと思います。
高脂血症ってどんな病気?(中性脂肪とコレステロールの違い)
そもそも、高脂血症や高コレステロール血症とはどんな病気なのでしょうか?
簡単にいうと血液中の脂質(あぶら分)が多い病気(というよりは状態)のことで、原因は食生活の欧米化とか運動不足とか体質とかいろいろです。
この”脂質”にはいくつか種類がありますが、大きく分けると中性脂肪とコレステロールの2種類に分けられます。
コレステロールはさらにHDLコレステロールとLDLコレステロールに分けられます。(このほかにカイロミクロンとかVLDLとかもありますがややこしくなるので省きます)
それぞれ役割も違っていて、中性脂肪は主にエネルギーとして使われるのに対し、LDLコレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁液などの材料として使われます。で、HDLコレステロールは余ったLDLコレステロールを肝臓へ連れて行く役割があります。
「HDLコレステロールは善玉、LDLコレステロールは悪玉」ってTVのCMで言われたりしていますが、LDLコレステロールは実はカラダにとってなくてはならないものなのです。
ただし、この中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、それぞれのバランスが崩れてしまうとカラダにいろんな影響が出てきます。
怖い病気の原因になるかも
まずは動脈硬化症の原因になります。
動脈硬化症は、コレステロールが血管に付着して血栓を作り、血液が通りにくくなったり、硬くなってしまう血管の病気です。
この病気が進行していくと、心臓や脳の深刻な病気の直接的な原因になります。
具体的には心筋梗塞や狭心症、脳梗塞や脳出血です。
なにもせず放置することは命に係わる非常に怖いことだということがわかると思います。
よく処方される高脂血症薬
代表的なものだけでも大きく3つに分けられます。
HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系製剤)
主にコレステロールに対して使われる薬です。
肝臓、小腸でコレステロール生合成を阻害してコレステロールの値を下げ作用があります。
副作用として頭痛・眠気・筋肉痛・発疹・倦怠感(だるさ)などのほかに、筋肉が溶けてしまう横紋筋融解症・末梢神経障害・肝機能障害があります。
ただし、これらの副作用が出るのは非常に稀らしいです。
私は最初この系列の薬を処方されましたが、飲み始めてから脱力感やだるさが出たため別の薬に変更してもらったことがあります。
フィブラート系製剤
体内のリポ蛋白リパーゼ(LPL)という酵素により中性脂肪が分解されて血液中のHDLコレステロールを増やす作用の薬です。
肝臓でのコレステロール合成を阻害するとか、LPLを活性化させるとかの作用があるらしいです。
その他(EPA製剤)
EPAとは「エイコサペンタエン酸」の略で、いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のひとつです。(脂肪酸もいろいろあるので、別の記事にまとめるつもりです)
EPAは血管・血液の健康維持にすごく効果があって、「血液をサラサラにする」「中性脂肪値を下げる」「動脈硬化を防ぎ、心臓病・脳梗塞を防ぐ」などの効果があります。
しかし、ヒトの体内ではほとんど作ることができない「必須脂肪酸」で、このEPAを主成分としたものが薬として出ています。
薬はやっぱりジェネリック
・先発品なら、用法や容量にもよるが1か月で1,050円くらい。
・後発品に変えることで半額以下(450円くらい)にすることが可能。
ざっくりとした計算になりますが、高脂血症の薬として有名なメバロチン錠10を1回1錠・1日2回で1か月間(28日)処方されたとすると、メバロチン錠10の薬代だけでだいたい3,500円くらいします。
けど、この記事を読んでいる方は健康保険に加入されている方がほとんどですよね。健康保険に加入していると、自己負担はこの薬代の2~3割で済むはずです。
なので、自己負担を3割で計算すると、メバロチン錠10を1か月分処方された場合の薬代は
メバロチン錠10(28日分)
3,500円✕0.3=1,050円
となります。
これだけでも結構しますよね。
で、たいてい他の薬もでますので薬代だけでもバカに出来ない金額になります。
ここに診察料や検査料がかかってくると、さらに金額が大きくなります。
長い目でみると、やはりかなり負担になります。
ところで、皆さんはジェネリックという言葉を聞いたことはないでしょうか?
いわゆる後発医薬品のことを指しますが、このメバロチンというお薬にも後発品(ジェネリック)がいくつも存在しています。
例えばメバロチン錠を後発医薬品のプラバスタチン錠Naという薬に変えた場合、自己負担額は1,050円⇒450円くらいに下がります。
なんと半額以下に節約できてしまいます。
ただし、カラダに合わない場合もありますし、副作用もあるので主治医と相談しながら慎重に決めた方がいいと思います。
もちろん、薬を飲まなくて良くなれば副作用の心配もなくなりますし、薬代そのものが節約できるわけですから、それに越したことはありませんが。
参考)
メバロチン錠10 61.4円/錠
プラバスタチンNa錠10mg「アメル」 25.6円/錠
副作用については主治医とよく相談を!
HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系製剤)とフィブラート系製剤は、非常に稀にですが筋肉が溶けてしまう”横紋筋融解症”や”肝機能障害”などの副作用が出るそうです。
私が飲んでいたイコサペント酸エチルも便秘や下痢、嘔吐、発疹、かゆみなどの副作用が稀に出るみたいです。なので、それぞれの薬の副作用については医師か薬剤師に確認してくださいね。
副作用が出る・出ないということについては何かしらの傾向はあるかもしれませんが、”○○○の場合は絶対に副作用が出る!”とか、逆に”○○○の場合は絶対に副作用は出ません!”とは言い切れないと思います。
これは本当に飲んでみないと分からないみたいです。
薬を飲み始めて少しでも「おかしいな・・・」と感じたら主治医か薬剤師に相談することをおススメします。
私が高脂血症と診断された際、薬としてHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系製剤)の後発品として代表的なアトルバスタチン錠という薬が処方されましたが、飲み始めてけっこうすぐに倦怠感と脱力感を感じました。
その後1週間ほど服用しましたが、倦怠感と脱力感が続いたので主治医に相談し、イコサペント酸エチルという薬に変更してもらったことがあります。
その後も中性脂肪の値は改善しなかったのでアトルバスタチン錠と同じスタチン系製剤のゼチーアという薬も服用しました。
こちらは倦怠感や脱力感を感じることはありませんでしたが、やはりこの薬も効果を発揮してくれなかったので、3ヶ月ほどで服用をやめました。
その後、自分なりにいろいろ勉強し実践を継続したことで血液検査の値も基準内に収まり、現在は薬なし・血液検査のみの経過観察となっています。
この辺については、改めて別の記事に詳しく書こうと思います。
食事と運動について
高脂血症は生活習慣病といわれています。
そして、この生活習慣病の治療や予防にとって大事なのは食事と運動ということがよく言われます。
たんぱく質、脂質、炭水化物のバランスの取れた食事を腹八分目を意識して・・・とか言われたりします。
病院などの栄養指導用パンフレットでも「副菜は150g、メインのおかずは手のひらに乗る程度、ご飯はこぶし大」とか書いてあったりします。
運動も、筋力トレーニングのような無酸素運動より、ウオーキングやランニングなどの有酸素運動が推奨されています。
まとめ
今回の内容をまとめると、
・高脂血症とは血液中の脂質が増えてしまう病気!
・放っておくと心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気の原因になる!
・治療薬はスタチン系製剤、フィブラート系製剤、その他(EPA製剤)などがある!
・薬の費用はジェネリックで節約が可能!
・でも副作用は知っておく必要あり!
・食事と運動が効果的!
って感じです。
食事と運動に関してはまだ記事にすることが多いので今後も投稿しようと思います。
今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。